こんにちは
松島です
今日は口腔内写真のメーカーの違いについて解説していこうと思います^^
みなさんは今どのようなカメラを使って写真を撮られていますでしょうか?
口腔内写真を撮るカメラは大体CanonかNikonが多いですが、実際にはどのメーカーのカメラでも撮影することができます。
僕は普段Nikonのカメラをオススメしているけど、『他のメーカーではダメなのか?』ということを思われる方も多いと思うので、そこを深掘りしていきます。
これから口腔内写真のためのカメラを選ぶ人に、もしくは『今手持ちのカメラがあるけど、そのカメラで口腔内写真に使用できないか?』という人にも参考になる内容かなと思いますので、是非ご覧ください。
僕の使用しているカメラNikonZ50の紹介はこちらから
Canon R10のセットはこちら
ではまず結論からお伝えしましょう。
Nikonは忠実な写真。
Canonは映える写真。
誤解を恐れず一言で言えば、このような違いが出てくるかと思います。
ではこれについて解説していきます。
Nikonは忠実な描写の傾向/Canonは鮮やかに写る傾向
まずは一番わかりやすい違いから見ていただきましょう。
撮った実際の口腔内写真での違いの比較です。
同じ患者さんの1ヶ月違いの写真データを使用しています。
【使用機材】
・Nikon
カメラ:Z50
レンズ:AF-S Nikkor 60mmf2.8
ストロボ:MF12+バウンサー
jpeg撮って出し
・Canon
カメラ:EOS R10
レンズ:EF-S 60mmf2.8
ストロボ:MF12+バウンサー
RAW現像 (明るさの調整のみ)
別の時期の写真にはなりますので厳密に同じ条件ではありませんが、規格化した撮影を行なっているので、違いが分かりやすいかと思います。
機材の情報を見ていただいて分かる通り、機材のレベルや写真の現像方法などでCanonのカメラの方が画質的に有利になりやすい条件にはなっていますので、詳細の比較をしていただく分にはあまり良い比較ではありませんが、なんとなくそれぞれのメーカーの違いがわかっていただけるのではないかなと思います。
Nikonの方は自然で、現実に忠実な雰囲気の描写
Canonは歯の色は少し白く、歯肉は赤みの強い描写
そういう違いになっているように思います。
Nikonのカメラは『記録色』
Canonのカメラは『記憶色』
そう言われたりするのですが、どちらが現実に近いかというとNikonで撮った写真の方です。
忠実な色味を求める口腔内写真においてはNikonの方がやはり向いているのではないかという印象を僕は持っています。
ただ、横並びで比較した時にはCanonのカメラで撮った写真の方が『強い』というか、『高級なカメラで撮ったような雰囲気』が伝わる写真かと思います。
もちろんこれはカメラの設定に応じて違いが出てくるので、NikonのカメラでもCanonの質感に寄せることもできるし、逆にCanonのカメラをNikonのカメラで撮った写真の質感に寄せることもできます。
あくまで『初期設定に近い状態であれば、それぞれのメーカーでこういった傾向の違いがある』というように認識いただけたらと思います。
同じNikon Canonでも使用しているカメラの映像エンジンや、一眼レフ・ミラーレスによって絵作りの傾向は違います。特にCanonのミラーレスRFシステムは一眼レフのEFシステムよりももう少し忠実度が高い絵作りをしていて、Nikonとの差はあまり無くなっているように感じています。
万能使いできるNikonと症例写真と顔貌写真で映えるCanon
では以上のメーカーによる画質の傾向の違いから、僕自身がどのように感じているかということについて解説します。
まず基本的に歯科治療の記録として残す写真に関してはNikonがいいなと思います。
やはり色の自然さや、見たままに撮れるという部分ではNikonの方が簡単に設定できます。
『この時の歯肉の色は発赤だったのか?それともカメラの色味によるものなのか?』
そういう迷いが生じる資料では困ります。
そして忠実な色味を編集によってより印象的に仕上げることは可能ですが、その逆は比較的テクニックを要します。
この写真はNikonのカメラで撮っていて、左が編集前・右が編集後。これくらい自然な写真を印象的に仕上げることも簡単にできます。
この処理は誰でも無料で使えるGooglePhotoから1分程度で行いました
そう考えていくと、普段の記録からたまにある症例発表等での提示までの用途において、Nikonのカメラを使用していくメリットは大きいのではないかと考えます。
ただし、症例写真・特に補綴物の写真でのインパクトを狙う場合に関してはCanonのカメラは非常に強い味方になります。
歯が白く、エッジの効いた写真になるので、インスタグラムでの症例紹介やプレゼン資料に用いる分には非常に魅力的な画質になります。
先ほどのように編集によってNikonのカメラで近い写真を作ることもできますが、そこにもある程度の写真の理解というものが必要になります。
それを考えると、簡単にこの画質を得ることができるCanonのカメラを使うメリットは初心者の人にほどありそうです。
また、Canonのカメラは人を撮るのに向いているとよく言われています。
人肌が健康的で現実よりもいい感じに見えるというところからそういう評判です。
Nikonでも顔貌写真に向いているカメラもありますが、使用する機種を選ぶのに対して、Canonはどの機種を使っても安定した顔貌写真が撮れます。
これは写真の編集等に時間を使いたくない先生方にとってメリットになると思います。
そう考えていくと、
それぞれのメーカーのカメラが向いている方は以下の通りです。
Nikonのカメラが向いている方
- ほとんど全ての歯科医師・衛生士
- 自然な色味で写真を記録したい方
- シェード等で正確な色味を撮りたい方
Canonのカメラが向いている方
- 症例写真で差をつけたい歯科医師
- 補綴物のWEBもしくは誌面での掲載をされる技工士さん
- 顔貌写真を簡単に綺麗に撮りたい先生
このような感じになるのではないかと僕は考えます。
僕なりのCanon Nikonの使い分け
では最後に僕なりの使い分けについてお話ししていきます。
基本的に僕はずっとNikonのカメラを使用して口腔内写真と顔貌写真を撮って来ていましたが、現在はカメラが職場に3台あります。
①口腔内写真用メイン機 Nikon Z50 + Nikon60mmf2.8
②顔貌写真用 NikonD7000 + Tamron90mmf2.8
③顔貌写真用テスト機 Canon 5DMarkii + Tamron90mmf2.8
一応これで使っていきながら、検証して、最終的に2台での運用にしていこうかなと思っています。
全てがNikonの方が都合がいいですし、色味の統一感やレンズ交換のメリットを考えると、①と②のセットが最もコストパフォーマンスが高いと思っています。
このセットであれば、顔貌用のD7000を口腔内写真のサブ機としても使用することができるのもポイントが高いです。
口腔内写真と顔貌写真にそれぞれに対して最適化したカメラを揃えたいという先生であれば、
『口腔内写真用にNikon』
『顔貌写真用にCanon』
そういう選択肢もありなのではないかと思います。
口腔内写真は忠実なNikon。顔貌写真は簡単にいい感じに撮れるCanonというのは理にかなっています。
ただし、口腔内写真をNikonで撮ったりCanonで撮ったりというようなことは避けていただいた方がいいかと思います。
せっかく規格化した口腔内写真を撮るのに色味がバラつくと印象も変わってしまします。
もしも全てをCanonで統一したいという希望がある場合には、口腔内写真での忠実な色味を得るために一眼レフのEFシステムではなく、ミラーレスのRFシステムで揃えることができれば、Canonで統一した機材システムを構築することができます。
Nikonで揃えるよりも価格は高くなりますが、RFシステムも素晴らしいシステムなので、魅力的な選択になると思います。
現在は僕のHPではNikonの製品を中心にお話ししていますが、もしもご希望があればCanon機材でのご相談にも乗ることができますし、Canonの機材で最適な機材のセレクトも致しますので、ご相談ください^^
今日の記事が皆様の参考になれば嬉しいです
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