こんにちは
松島です
みなさんは口腔内写真の5枚法などの規格写真を撮られていますでしょうか?
以前までは口腔内写真を撮影するのは限られたクリニックだけだったのではないかと思いますが、今では治療開始前に必ず記録として口腔内写真を撮る歯医者さんも増えてきていると思います。
僕は口腔内写真の機材や撮り方について情報発信しているので、そういったものを見て参考にしていただいている先生方もいらっしゃるかと思うのですが、今回は今までの記事や動画ではお伝えしきれていなかった細かいけれど重要な工夫についてお話ししていこうと思います。
今回は以下の4つの観点からより美しく簡単に口腔内規格写真を撮っていくための方法をお伝えいたします。
小技①|5枚法ではなく9枚法で記録しよう
まず最初の工夫はこちらです。
撮影する際の枚数を増やして5枚法ではなく9枚法を採用しましょう。
9枚法と言っても何かわからない人もいると思うので、まず見本をお見せします。
最初にこの写真が口腔内5枚法と言われるものです。
続いて9枚法という写真はこちらです。
通常の5枚法に加えて『半開口』と『前歯部のカップリング』、『左右の側方運動を含めた写真』を撮影してください。
5枚法でもかなり多くの情報量がありますが、9枚法ともなるとかなり細やかな部分まで見ることができて、後から見返した時に振り返ることのできる項目がかなり多くなります。
9枚法の撮影方法は過去記事から
撮影方法に関しては過去の記事でまとめていますので、ぜひそちらを見て頂き参考にしていただけたらと思います。
5枚法で撮影するのとほとんど変わらない時間で9枚撮っていくことができるので、ぜひこれをルーティンにされることをお勧めします。9枚撮ったところから5枚なり6枚なりをピックアップするのは簡単ですが、撮っていないとその時のデータは今後絶対に見ることができないので、せっかくなので頑張っていきましょう^^
小技②|口角鈎はこれを使うと便利
続いては口角鈎についてです。
口角鈎選びは非常に重要です。
小さすぎると口唇がだぶついて歯が隠れるし、大きすぎると患者さんが痛がります。
一般的にはこのような口角鈎が使われていると思いますが、このタイプだと患者さんに応じてサイズを変えないといけない+上下のミラー像を撮る時に口角が写り込んで綺麗に撮れないため、オススメのものは違ったタイプになります。
僕がクリニックで使用しているのはこのような口角鈎です。
比較的サイズの大きいものを片方ストレートのバーで削合して、研磨しています。
これを使うメリットは
- ほとんどの患者さんに対してこの口角鈎で対応できる
- 上下のミラー像で後側の小さい鈎を使えるので便利
という2つです。
少しでも口腔内写真にかかる手間を減らすために、このような便利なアイテムがあると良いかと思います^^
ドクター以上にスタッフさんの口腔内写真への抵抗感は大きいので、そこを工夫で解決してあげましょう。
小技③|規格写真のためにテープを使って倍率を固定しよう
続いては非常に地味な項目ですが、口腔内写真をより厳密に規格化させるために重要な要素です。
それがマニュアルフォーカスで撮影をする時に倍率を固定するためにレンズにテープを貼るというものです。
実際の様子がこちらです。
黒いレンズに黒いテープを貼ってしまい大変申し訳ありません。
これは何かと言いますと、レンズの倍率を変えない工夫です。
僕は以前からマニュアルフォーカスで撮影倍率を固定して取ることで、より口腔内規格写真が実現しやすくなると言いました。
毎回同じ距離から同じ明るさで撮ることで、資料がすごく見やすくなるからです。
今までは純粋にこの倍率のところにフォーカスを合わせてそれで撮りましょうというアドバイスでしたが、意識して毎回同じ位置で撮ろうと思っても、スタッフが間違えて少し倍率を変えて撮影してしまったり、手が当たって倍率が知らない間に変わってしまうということが多発しました。
そのため、そういったミスやエラーが生じないように、口腔内規格写真用のカメラに関してはフォーカスリングが動かないように固定しています。
これをし始めてから写真のミスがかなり少なくなり、誰が撮っても同じような結果を出すことができるようになり、院内の写真のクオリティが大きく上がりました。
たったこれだけの工夫ですが、このテープ一枚で口腔内写真はもっと簡単で上手に撮れるようになると思います。
小技④|ストロボもMモードを使用しよう
では最後の項目ですが、それがストロボもMモード つまりマニュアルモードで撮影しようというものです。
今まで僕はカメラはMモードでストロボはTTLというストロボのオートモードを使用するのが簡単でオススメという風にお話ししてきました。
ただどうしてもオートではその時々で撮れる写真の明るさにばらつきが生じます。
写真の明るさにばらつきが生じると、写真の印象も変わってしまい、正しい診査や治療前後比較ができません。
そのため、ある程度慣れてきたらストロボをTTLからMモードに変えていただくことをオススメします。
やり方は簡単で、最初に決めた倍率のところで、ストロボの適切な明るさを決めてやり、その設定を変えることなく、毎回その設定で撮影するだけです。
レンズの焦点距離やf値とISO感度、そしてストロボの種類によって若干ずつ数値が違いますが、明るさが目で見てちょうど良いと思える強さにストロボの強度を設定していただけたら十分です。
すべての患者さんに同じ明るさで写真が撮れるのでかなり資料の見やすさも向上し、写真の編集時間も削減できるので非常に重要な項目です。
今ではうちのスタッフもこの方法で撮ってくれているので、そこまで手間でもありませんのでぜひこの方法を採用してみて下さい^^
はい、いかがだったでしょうか?
今回は僕が実践している口腔内写真を簡単に綺麗に撮るためのテクニックを4つ紹介しました。
1つ1つはそこまで大きなものではないですが、それらが積み重なって最適な資料取りにつながります。
一度手に入れた規格写真のスキルは長い期間をかけてものすごく大きな価値を発揮してくれると思いますので、最初に少し頑張っていただいて、大切な資料をクオリティ高く残していきましょう。
口腔内写真の個別の質問等は公式LINEにて受け付けておりますので、もしよかったらこちらのQRコードとリンクから活用ください。
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