【口腔内写真】機材

口腔内写真用カメラ・レンズの選び方 徹底解説

こんにちは松島です

本日は口腔内写真用カメラ・レンズの選び方徹底解説というテーマで、僕の持てる知識を全て共有しようと思います。

最近、これから開業する予定の歯科医師の同級生からこんな質問を受けました。

『カメラを揃えたいけど、どんなの選んだら良いかわからん』

おそらくそういう先生は多いと思います。

カメラは用途と予算によって非常に選び方が多岐に渡るので、個別相談に乗らないと最適解が出せないのですが、今回はそのベースとなる知識を持ってもらえるだけの情報をお伝えしますので、分からないところは公式LINEからご質問ください^^

重要なのは焦点距離とストロボの種類

まずは端的に申し上げると、重要なのは2つのみです。

焦点距離を何ミリのレンズを使うか

そして

ツインストロボとリングストロボのどちらを使うか

この2点が分かれば、
概ね最適な機材が選べます。

1.焦点距離

まず焦点距離については非常に深く、色々な観点がありますが、ここではシンプルに2つ解説します。

1つ目がワーキングディスタンス

2つ目が光の当たり方です。

▽ワーキングディスタンス

まず一つ目のワーキングディスタンスが最も重要です。

同じサイズで歯を写そうと思った時に例えば50mmのレンズではかなり近寄る必要がありますが、100mmのレンズだと比較的離れて撮影することができます。

これによって撮影者の撮影時の体勢の違いが生まれます。

背の低い方、それに伴い手の短い方が長い焦点距離のレンズで撮ると大変ですが、短い焦点距離で撮ると比較的楽に撮影できます。

焦点距離によって歯とカメラの距離感が変わる

では短い焦点距離が万能かというと、今度はミラー像を撮影する際に、レンズの先端がミラーや口角鉤を持つ手にに干渉しやすいという問題が生じます。

つまり焦点距離は長すぎても短すぎても良くないということです。

ではどれくらいの焦点距離がオススメか
ざっくり説明します。

ワーキングディスタンスの点でオススメの焦点距離

▽口腔内5枚法

75mm〜100mm相当のレンズ
(APS-C 50−70mmのレンズ)

▽臼歯部の局所写真

100mm〜150mm相当のレンズ
(APS-C70-100mmのレンズ)

Z30(APS-Cカメラ)70mmのレンズで撮影した画像

▽光の当たり方

焦点距離によって光のあたり方にも違いが出てきます。

これは非常にマニアな考え方なので、多くの先生は無視していただいても良いところですが、症例写真の魅せ方にこだわっている先生には非常に重要な要素です。

これは後で説明するストロボの違いにも関係するところですが、写真の画質というのはカメラの性能やレンズの性能よりも、光の当たり方で決まることの方が多いです。

その上でより高画質な写真を得るために必要な要素は、

歯に対して大きな光源を当ててやること

だと思います。

その上で、仮に同一のストロボを使用すると仮定すると、ストロボがストロボが近くから発光するほうが、被写体に対して光源は大きくなり、離れるほど光源が小さくなります。

同じストロボでも距離によって光の当たり方が違う

こうやってみていただくとイメージしやすいと思いますが、同じストロボを使用してもどれだけ距離を離すかによって光の当たり方が変わります。

歯に対して大きな面で光を与えてやると、コントラストのつきすぎていない上質な画像データを得られます。

こちらツインストロボを使用する際に特に重要な考え方ですが、リングストロボでも同様です。

Z50+85mm+比較的小さいリングストロボで撮影

光源が歯から離れれば離れるほど、前歯部分がギラギラと反射する写真になりやすいです。

以上のような要素から目的に応じて焦点距離を選んでやる必要があります。

2.ストロボの種類

続いて重要なのがストロボの種類です。

カメラやレンズよりもストロボが重要なのは先ほどの項目でも軽く触れましたが、もう少し深く解説しましょう。

まず一目で違いがわかるように簡単に画像を並べました。

・ツインストロボは立体感が出やすく、いわゆる上質な画質は得やすい

・リングストロボは記録的なしっかり全てを写す撮影に向いている

どちらが良い悪い ではなく、『違い』があるので、目的により使い分けが必要です。

またツインストロボといってもいろいろあります。

  • ストロボ剥き出しのもの
  • カップディフーザーを使用したもの
  • バウンサーを使用したもの

同じツインストロボでも、それぞれで撮れる写真は大きく変わります。

右に行くほど、光の光源が大きくなるので、写真の画質は上質になりやすいです。

操作感や取り回しにも影響してきますが、簡単に分けるとこのような違いが出てきます。

オススメの機材構成

ではそれらを踏まえてどのような人にどの機材が向いているのかを解説します。

口腔内規格写真 5枚法〜9枚法

当院で使用している機材がこれです。

クオリティの高い規格写真を残すことができ。ドクターだけでなく、衛生士さんや歯科助手さんでも使いやすい軽量な機材です。

欠点:ツインストボバウンサーが邪魔をして臼歯部のアップの写真が撮りにくいです。

口腔内 局所撮影用機材

続いて局所、特に臼歯を撮るにはこの機材が最適だと思います。

臼歯部を撮るのに60mmだと少し短く、ミラーに当たったり術野に近づきすぎてしまう問題があります。

85mmのレンズを使用したNikonZ30であればちょうど良い距離感で使用できます。

ただし口腔内5枚法に使うには少しだけワーキングディスタンスが長い気もします。

顔貌写真オススメ機材

基本的には口腔内写真用のZ30で問題なく撮れますが、こだわる先生にはこちらをオススメ。

NikonZ5というフルサイズのカメラで大光量の顔貌写真用のストロボを使用し、RAW現像をする。

これが最高です。

ここまでこだわらない人でも口腔内写真用と顔貌写真でストロボを分けるとかなりクオリティが上がります。

上記全てを1台で行いたい先生に

今までは全て目的別にカメラレンズもしくはレンズを交換していましたが、それらを全てひっくるめたセットを考案しました。

機材をなるべく少なく、万能なものを希望される先生はこちらをどうぞ

詳しくはこちらで解説しています▽

ズームレンズを使用することで、任意の距離感から撮影することができるので、局所も規格写真もこれ1台で使えます。

顔貌写真撮影まで1台でという方にはZ30のセットではなく、Z5のセットを選んでいただくことで、万能感がさらに増します。

今うちのクリニックもこのセットで写真を撮るようにしています。

購入希望の先生はこちら

以上が僕が考える、口腔内写真にオススメの機材になります。

少しでも参考になれば幸いです。

もしも気になる事がございましたら、
公式LINEからお問い合わせいただけたらと思います^^

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